第47回全日本教育工学研究協議会(大阪大会)の開催にあたって
野中 陽一
日本教育工学協会会長/横浜国立大学大学院教育学研究科教授
第47回全日本教育工学研究協議会全国大会を,文部科学省,大阪府教育委員会,大阪市教育委員会をはじめとする関係者の方々のご協力を得て,オンラインで開催できますことに感謝申し上げます。授業公開及び研究協議会は,これまで学校情報化先進校に多く選ばれ,300校を超える優良校の認定を受け,先進地域の認定手続きに入っている大阪市内の学校,そしてそれに加え,大阪府立高等学校の様子を配信していただきます。
全国の教員現場の方々,教育情報化関連企業の方々,教育の情報化を研究対象としている教育工学研究者の方々には,ぜひ,充実したプログラムを通して実践と理論の交流を行い,連携協力関係を築いていただければ幸いです。
本大会のテーマは,「ICT活用を通した未来につなげる新しい学習のスタイル」です。
新学習指導要領,新型コロナウイルス感染症対策のために前倒しとなったGIGAスクール構想,これらを踏まえて中央教育審議会から答申された「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~」に向けて,教育委員会,学校等は様々な取り組みを進め,ICTの活用によって,Society5.0時代にふさわしい新しい学習スタイルが生まれつつあります。大阪におけるさまざまな取り組みを,授業公開,研究協議会等を通して学ぶと同時に,全国各地の取り組みを研究発表等で共有する機会となることを祈念いたします。
日本教育工学協会,通称JAETの全国大会は,全国各地の教育研究団体の主体的な取り組みを核に,地元の教育委員会のご協力,賛助会員の皆様のご支援をいただくことで,開催することが可能となります。和歌山大会からは,開催の前年度からパナソニック教育財団のご支援をいただき,JAET役員を中心にアドバイザーとして授業公開校の研究支援を行う取り組みも進めております。今回も全国大会開催に向けて,寺嶋大会実行委員長を中心におおさか学校情報化研究会が組織され,教育委員会の方々や企業の皆様からも多大なご支援をいただき,実践研究に協力していただいていることに感謝申し上げます。
ここ数年,研究発表は100件を超えております。できるだけ多くの方に発表していただけるよう,教育工学に関わる研究や実践の発表であれば,どなたでも申し込むことができるのもJAETの全国大会の特徴です。まだ発表されていない方も今年の発表を参考にして,次年度の大会に向けて準備を進めていただければと思います。
日本教育工学協会の活動は,主に賛助会員の皆様からのご支援,ご協力に支えられて行われております。オンラインによる新たな企画として夜のセッションも準備を進めておりますので,企業の方々との交流もぜひお願いいたします。
これらの多様なプログラムを通して明日の教育実践に役立つ研究成果を交流していただければ幸いです。